好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

物語全般

邦画ヒット作を見に行くという経験。

映画『国宝』を劇場へ見に行く。 原作未読。興行100億突破というニュースに、ミーハー的感覚で赴いた。 映像、音楽、演技、どれも確かに興味深かった。ストーリーは常套かつ王道。言ってみれば、嫡子よりも優れた庶子(こうした表現が既に大時代的だが)の雌伏…

『鬼滅の刃』の映画を見ました。(2025年)

映画『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』を劇場へ見に行く。(関係ないけどアカザって一発変換可能なのか!) 説明不要。日本の映画の歴史をまたも塗り替えそうな作品を、映画好きとしては、スルーするのは、もったいない。世間話のネタにもなるしね。 前…

レトロフューチャーinアメコミ映画。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を劇場へ見に行く。 個人的に不穏な話題を漏れ聞くMARVELシリーズ。『エンドゲーム』で一区切り付いたと考えて、少し距離を取っている状況の私。 本作は他の作品とのしがらみが無さそうだったので見に行っ…

ホラー映画(&副音声)初体験。

書きそびれていた話。映画『事故物件ゾク 恐い間取り』を劇場へ見に行く。 当初は、見に行く予定はなかった。ホラー映画は苦手だ。残酷描写が多いし、突然の動きにビックリさせられるのは本当に嫌だし、当然だがハッピーエンドは望めないし。 が、地元の映画…

最長の映画を見た日。

書きそびれていた話。 映画『風と共に去りぬ』を劇場へ見に行く。 「午前10時の映画祭」の作品。映画館開場すぐの9:00から、休憩挟んで1時半前まで。ざっと4時間。その驚くべきスケジュールを知って、内容云々以前に悩んだ。 昼ご飯ナシになっちゃうじゃん。…

GWに映画を見たメモ。

★『教皇選挙』現実でも行われる事になった教皇選挙(コンクラーベ)。名称だけは昔から聞いていたが、実際のところを勉強しようと見てみた。各国の枢機卿たちの隔離や、投票の様子。作中の有力候補は、性的スキャンダルを隠してたり、買収行為してたり、差別激…

五感フルダイブ読書法、だった本。

『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』(byかまど・みくのしん)、読了。 「オモコロ」で「『走れメロス編』」の記事が公開された時、話題になっていてすぐに読んだ記憶がある。世には、こんな形で“読書”するタイプの人がいるのかと大いに驚かされた…

古代の馬車に圧倒される映画。

書きそびれていた話題。 映画『ベン・ハー』を劇場へ見に行く。 1959年作。ユダヤ人の青年を通して、キリストの生涯を描いた作品。 昔ビデオで、眠気と戦いながら見た記憶があった。「午前10時の映画祭」のラインナップにあって迷っていたが、思いきって鑑賞…

グロテスクの展示会。

『肉食屋敷』(by小林泰三)、読了。全4話収録の短編集。ほぼ全編にわたってグロテスクでおぞましい小林泰三作品群。けれど読後感は逆に清々しかったり、伏線の収斂が美しすぎたりして、目を離せない。『肉食屋敷』タイトルで想像したオチがある種そのまま当た…

映画制作、激動の時代。

書きそびれていた話題。映画『雨に唄えば』を劇場へ見に行く。『午前10時の映画祭』での、本年度の我が本命だった。体調不良などから時間を取れずにいたが、奇跡的にタイミングが合った。本作については、恥ずかしながら未見だった。どしゃ降りの雨の中で登…

変名小説。

『K体掌説』(by九星鳴)、読了。タイトルだけで読んでみた。変わったタイトルである。一時期流行った「ケータイ(携帯電話)小説」のパロディだ、と今では説明が必要だろう。「小説家になろう」や「カクヨム」から読む今のスマホ時代には、そういった説明が必要…

食人植物によって、終わる世界。

『トリフィド時代』(byジョン・ウィンダム)、読了。1951年作。知ったきっかけは、とある漫画から。「植物が襲ってくるホラー作品の一例」と目にして、図書館で借りた。正直なところ、序盤は退屈だった特異な状況に説得力ある設定を説明し尽くすための部分が…

京都×ホームズ×メタミステリ。

『シャーロック・ホームズの凱旋』(by森見登美彦)、読了。かかりつけの病院の待合室で、少しずつちびちび読んで楽しんだ。関係ないけど、「森見登美彦」って名前、一発変換できるのね。今時のスマホすごい。ホームズシリーズのパロディと呼ぶにはペダンチッ…

科学者の繰り出すホラ話、の話。

『白鹿亭奇譚』(byアーサー・C・クラーク)、読了。全15話収録の連作短編集。書籍の初出は1957年。「積ん読」を消化してから最初に図書館で借りた。短編集ならスムーズに読めるだろうと考えて。とあるパブに集まった人たちが語る不思議な話、という裏表紙の紹…

「積ん読」を消化しました。

書き溜めしていた本の感想を全てアップロードし終えた。書き溜めを消化している間、自室の書棚で長らく「積ん読」になっていた文庫本を読み尽くした。『アイの物語』(by山本弘)『あなたをつくります』(byフィリップ・K・ディック)『火星に住むつもりかい?』…

「何でもあり」の極限を目指す。

『夢の木坂分岐点』(by筒井康隆)、読了。1987年初出。「何でもあり」の筒井作品の頂点かもしれない。メタフィクションの極み、という言葉では生易しい奇妙な話。本作の主人公は、とにかく設定がぴょこぴょこ変わっていく。職業どころか名前や家族構成さえも…

神=造物主=作者からのメッセージ。

『モナドの領域』(by筒井康隆)、読了。筒井氏いわく、最後の長編にして、最高傑作。確かコレ、世に出た直後はミステリとして紹介されてた記憶。だが実態は寧ろ、説話集、法話集と呼んだ方がいいように思った。ストーリーは、良く言えばシンプル、悪く言えば…

良き物語は古びない。

『東海道戦争』(by筒井康隆)、読了。全9話収録の短編集。因みに中公文庫。出版は1978年。中公文庫の裏表紙には、筒井氏の処女作品集とある。そのじつ最初期の作品群であり、読んで、ある意味、全盛期の氏の作品を浴びる事となった。既読作も幾らかあるが、今…

高齢化社会版、バトル・ロワイアル。

『銀齢の果て』(by筒井康隆)、読了。この本の世界では、高齢者問題に対してトンデモナイ形の対処がされている。政府によって決められた地区における、70歳以上の人々による、1ヶ月にわたるコロシアイ。1999年に小説、2000年に映画として世に出た『バトル・ロ…

銚子電鉄宣伝小説。

『電車を止めるな!』(by寺井広樹)、読了。映画『カメラを止めるな!』とタイトルが似てるのは意図的な物。とにかく世に広める事がこの本の目的だから。知ってる人は知っている、銚子電鉄は現在、濡れ煎餅などの飲食物で主たる運営をつないでいる。それと共…

クトゥルフ神話を学ぶ一環として。

『アーカム計画』(byロバート・ブロック)、読了。1979年作。いわゆる「クトゥルフ神話」の集大成という触れ込みで知った。全体で3話構成。或る男性が、或る絵画をきっかけに謎に巻き込まれる。その男性の妻が、謎の真相を求める。その後、また別の男性が、結…

中国仙人ラブロマンス。

『僕僕先生』(by仁木英之)、読了。タイトルだけで読んでみた。「僕僕」って何だ?と引っ掛かった時点で、作者の思惑に嵌まっていたと、読んで知った。時は古代、所は中国の唐。財産など環境に恵まれ、のんびりぼんやり生きている青年・王弁は、山の庵に住む…

続々・殺戮の道化に祝杯を!

映画『デッドプール&ウルヴァリン』を劇場へ見に行く。※第1作の感想※第2作の感想水曜が上映初日という、かなりの変則。オフの日が丁度重なった幸運から、早起きして初回を狙った。(因みに字幕版)有り体に言えば本作は、『X-MEN』シリーズとMCUとの、壮大な…

詩人の綴るショートショート。

『ぺ』(by谷川俊太郎)、読了。全23話収録の短編集。詩や童話や翻訳で楽しませてもらってる谷川作品に小説があったと先日知った。それもショートショートなら読みやすかろうと図書館で借りた。玉砕した。一言でいえば、実に「詩人らしい小説」である。独特の…

仕舞い込んでた過去の記憶、の話。

『鍵』(by筒井康隆)、読了。角川ホラー文庫の自選恐怖短編集との事。全16話収録。再読の話がさすがに多い。『佇む人』『無限効果』『池猫』『怪段』『くさり』『母子像』『二度死んだ少年の記録』は確実に覚えている。もしかしたら、記事がブログに無いだけ…

固定電話時代のサスペンス劇。

『袋小路』(by都筑道夫)、読了。全12話収録の短編集。気軽に読むなら短編集だ、と図書館で目に留まったのを反射的に借りる。ところがどっこい、いざ読んだら逆に、状況のつかめない作品が続いて多いに混乱。自己と他者、生と死、現実と虚構、そういった諸々…

リハビリ的・映画感想メモ。

やっぱり劇場で映画を見るのが好きだ。今後のリハビリ兼ねて、少しだけ感想を書く。★『告白 コンフェッション』生田斗真氏なら演技力あるからいいかなと、予備知識ほぼゼロで鑑賞。雪山描写が違和感だらけで、一切合切全部メタネタに落ちるのではと思った私…

映画感想小ネタの供養。

下書きのまま仕上がらなかった、データの消えた感想たちの供養。★『イエスタデイ』ビートルズのいない異世界で無双するギタリストの話。SFと思ってたら恋愛映画に終始してたのが、私の中で不完全燃焼。★『明日に向かって撃て!』図書館で借りたDVD。有名すぎ…

幻想短編集・備忘録。

『十月の旅人』(byレイ・ブラッドベリ)、読了。全10話収録の短編集。1940~1950年代の幻想小説。物語のジャンルが未分化の時代。『十月のゲーム』:この本の初出時(1974年)の日本にはハロウィンが普及してないため注釈がある。『休日』:『火星年代記』の系…

「時系列シャッフル」の祖。

映画『パルプ・フィクション』を配信で見る。1994年作。映画好きなら必ず見るべしという世評を、幾度となく見かけてきた。いわゆる「時系列シャッフル」を効果的に用いているなど。配信元のPC画面には、R18指定と表示されていたから、見る前、大いに不安だっ…