『おかえりとさよならと』
『祭囃し編』を経ての後日談。
悟史が目覚めた後の世界という事から、『嘘塗し編』を連想するが、
こちらの本作では、羽入が実体化したまま梨花&沙都子と三人で同居している。
この4人が、今後をどうやって生活していくか。
その感情の動きが自然に綴られていく。
彼らの関心を端的に表すとこうなる。
悟史←沙都子←梨花←羽入
一見落ち着いて振る舞っているキャラ達が皆、実は自分の心の拠り所としている相手に半ば依存している側面が、上記の順で明かされていく。
中でも注目すべきは羽入の豹変。
彼女は大抵の作品で消失していくし、その際も『ありがとう』などのように最期まで毅然としているパターンが基本。
梨花と離れる不安を露わにして取り乱す様は興味深い。
ともあれ、この世界の彼らは末永くハッピーエンド。
困難もあるかもしれないが、きっと乗り越えてくれると信じたい。
あと個人的に覚書。
イラストが右ページなのは物凄く嬉しかった。安心して読めたわ。
それでは。また次回。