好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

法廷が強権を持ち得た時代。

『蝋人形館の殺人』(byジョン・ディクスン・カー)、読了。

恥ずかしながら初読。
が、推理小説好きを名乗るなら必読。
因みに1932年作。

フランスにおいて強力な司法権を持つ予審判事である主人公、
アンリ・バンコランのシリーズ。

長編は『夜歩く』『絞首台の謎』『髑髏城』
『蝋人形館の殺人』『四つの兇器』の全5編。

不気味な蝋人形の館の像の中に死体が紛れ込む……という
発端は、抜きんでて恐ろしく。
中盤で舞台となる、上流階級を巡る秘密クラブでは、
バンコランの友人&助手ポジションのジェフ・マールが大活躍。
スパイ映画のような緊張感に興味を惹かれた。

正直なところ、関係者に順番に聞き込みしていく段では、
うつらうつらと寝落ちしかけたが、
もしかしたらソレも作者の計算ずくかもしれない。
堂々と抜け抜けと伏線&ヒントが仕込まれてると知った時は、
確かに驚いて、何度もページを見返した。

『夜歩く』はずっと昔に通読した記憶があるが、
これを機会にシリーズ通して再読してみたい。
あと、東京タワーやお台場の蝋人形館も今一度訪ねてみたいかな。

それでは。また次回。