好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

超・文系小説殺人事件。

QED 百人一首の呪』(by高田祟史)、読了。

薬剤師・桑原祟が、不可思議な殺人事件を解き明かすというのが大筋の流れ。

しかし、本来なら基本だろうこちらの展開は、実は添え物に過ぎない。
(モチロン、それなりに凝ってるトリック出てくるけど)

この本の本筋は、事件の部分ではない。
その事件からは、明らかに脱線している部分だ。
事件に絡んでいるとされる百人一首についての、桑原の長口舌だ。

何たって、全500ページほどの中で、少なくとも150ページもが、
その百人一首に関する文章なのだから。
軽く見積もっても、全体の約3割
それも、その説明は当然ながら、
ことごとく桑原の台詞として書かれているのだからたまらない。
率直に言って、読みにくい。

全100首(!)の短歌が機械的に並べられるのは、まだ序の口。
百人一首の編纂された歴史的背景から始まって、
終いには「百人一首を組み替えると曼陀羅が出来る」という論に流れ着く。
因みにその際には、百人一首の札そのものがズラズラと(囲み記事の形で)並ぶ。
挙げ句に、巻末にその曼陀羅が別表として
本の巻末にくっついてると知った時には、正直なところ気が遠くなりかけた。

言ってみればコレは、昔読んだ「超・理系小説殺人事件」みたいな物だ。
意味の分からない部分は読み飛ばさないとやってられない。

そのじつ私、短歌そのものの部分は読み飛ばしました。
少なくとも私には、このシリーズを読むのは厳しいです。ごめんなさい。

それでは。また次回。