『ねらわれた星』
新潮文庫、番号17、『ボッコちゃん』収録。
ショートショートの極地。
『約束』より短い。3ページに満たない。
星氏は基本的に殺人とセックスを扱わなかったというのが通説だが、より正確には「露骨なエログロを書かなかった」であり、匂わせるネタとしては寧ろ多数存在する。
本作では、そんな尋常ざるワンアイディア、エロ&グロが、そのままポンと一編にまとめられてしまっている。
何とおどろおどろしいスプラッタが展開されるのかと思わせといて、いざ蓋を開ければパッパラパーなエ○漫画で終わる落差たるや、ジェットコースターどころか、もはや自由落下。
創作者泣かせと言われるのも納得。
以下余談。
確かに言われてみれば、古典SFにおける、いわゆる宇宙人には「服を着る」という概念が何故か無い。
火星のタコ型さんも、大きい目のグレイさんも、それからウルト○マンも。
怪獣の皆さんも、知性ある行動を取ってても着てない、と思う。
その考えを進めていくと、私たち地球人は他の宇宙人さん達より、外皮が物凄く弱いんだろうか。
紫外線にさえ変化を受けるんだもんなあ。
でも、色んな服を選べる楽しみがあるのもいいよね。
……という、我ながらよく分からない終わり方で今回は〆。
それでは。また次回。