やあ、こんにちは! きみが美人のミア先生から魔法を教わってるお弟子さん?
ぼくはね、そのミア先生の魔法で創ってもらった、きみの複製なんだ。
その証拠に、きみの顔そっくりだろ? これからお世話になるからよろしくね!
………………ふ、ふふふふふ。なんてね。
この辺で種明かしして、元の姿に戻りましょう。ごめんなさいね驚かせて。
今日学ぶ魔法「KID」は、術者の能力を最も問われる魔法の一つ。
古代の魔法語で、「冗談」という意味で使われていた言葉だそうです。
この魔法では、このような骨製の腕輪をはめて、
自ら思い描いた幻覚を相手に見せる事が出来ます。
「床が燃える石炭で出来ている」とか、「別の姿に化けてみせる」とかね。
あなたも試してご覧なさい。例えば、大きな鳥に化けてみるとか。出来るかしら?
「KID――!」
まあ素晴らしい。惚れ惚れするような大烏(おおがらす)ね。
それで羽を動かして、まさか飛んでみせるつもり?
残念だけど……異議あり!ってとこね。
ほら、元の姿に戻ってしまったでしょ?
論理的にムジュンした行為をすると、この魔法は解けてしまうの。
あくまでも、変わっているのは見た目だけという事を忘れないようにね。