前回はお疲れ様でした。沼ゴブリン達、あなたのお話になかなか喜んでいたみたいね。
後で聞いたら、笑い話を教えてもらったとか言ってたわ。
今日学ぶ魔法は「YAP」。
古代の魔法語で「お喋り」という意味で使われていた言葉だそうです。
この魔法は、前回の「RAP」と非常によく似ています。
この緑のかつらをかぶる事と、通訳の魔法である事は同じ。
ただし、「RAP」はヒトに近い種族用であり、
「YAP」はそれ以外の動物用である事が大きな違いです。
犬や猫や蛇やネズミといった、あらゆる動物と会話できます。
もっとも、気が立っている時だと、
話しかけても単純な気持ちしか分からない事が多いです。
おなかが減ってるから何か食べたいとかね。
それで今日、話をしてみたい動物がいるって、
あなたから聞いてたけど……まさかそれ……「ROK」の時の小鳥かしら。
解呪に成功したのですね。おめでとう。
では話を聞いてみましょうか。試してみなさい。
「YAP――!」
どう? 小鳥は何を求めてる?
……そうでしょうね。早く自由に空へ戻りたい、と。
これで今日の授業は終わります。後はあなた自身で決めなさいね。