『タイタンの妖女』(byカート・ヴォネガット・ジュニア)、読了。
「タイトルだけで選んでみた」シリーズ。
と言いますか、これもずっと昔から、タイトルだけが頭に引っかかっていて今に至る。
因みに1959年の作。
あらゆる時空に同時存在し、あらゆる事実を知る、
人でありながら神のような身になった
ウィンストン・ナイルズ・ラムファード氏。
そして、そのラムファードに未来を予言された富豪、
マラカイ・コンスタント氏の物語。
終盤になると、ラムファードもまた、
ある運命に強いられていたという真相が明かされていく。
つまり世界観は、『幼年期の終わり』辺りと実は似ている。
が、この作品の読後感は、そういった他作品よりも納得しやすかった。
たとえ地球人の様子は変わっていっても、あくまで彼ら自らの意志で
行動しているのが伝わってきたからかもしれない。
あと個人的に、水星で大気振動を食べる生物・ハーモニウムが印象に残った。
緑と青にきらめく無数の菱形……動画で見てみたいものだなあ。
それでは。また次回。