『殺し屋ですのよ』
新潮文庫、番号4、『ボッコちゃん』収録。
星新一ショートショートには、定番のモチーフが数多く登場する。
悪魔、ロボット、宇宙人などなど。
刑事事件も、そういったモチーフの一つだ。
直接描写こそ無いものの、意外に人が死んでいる。
この作品に出てくる「殺し屋」は、ある種の出オチ。
世間一般のイメージと真逆、
ごく普通の、大人しそうな若い女性が殺し屋を名乗るというワンアイディアが巧みに転がされていく。
彼女の正体は、まるでクイズの答えのような物。
ただ、ここまで守秘義務を飛び越えて何もかも調査できるなら、普通に産業スパイ活動あたりでも稼げそうにも思うが、手を広げすぎれば危険も増すという事か。
なお、余談ながら、『週刊ストーリーランド』でアニメ化、『世にも奇妙な物語』でドラマ化されている事を挙げておこう。
そして最後に。
実はこの話が「エヌ氏」の新潮文庫初出なのです。
それでは。また次回。