
我ながら退廃的な夜を過ごしている。
職場でも家庭でも、昼でも夜でも、やらなきゃいけない事に追い立てられて。
限界に達して、安価なビジネスホテルへ飛び込んだ夕方。
ただし、ホテルに入ってすぐ寝て……とは今回は出来なかった。
頼まれてるクラフトバンドのかご達をせっせと編んで一段落させる。
買ってあった弁当をさかさか食べて一息ついたら、前から約束していたビデオ通話の約束の時刻が迫っている。
久しぶりに友人と話し込んで、それが終わって、はじめて本来予定していた自分一人の時間になる。
疲れきった心身に、スナックと共にアルコールを流し込みながら、テレビ番組を眺めながら、スマホをいじりながらボンヤリする夜。
一人きりの空間で、気楽な事だけに浸る貴重な時間が流れていく。
そう、2年前までなら、こういう感覚を味わうために遠くへ旅に出てたんだ。
先程まで忘れてた風呂にも、眠る前に入ろう。旅先でしていたように。
こういう時間も大切だよね。
またバリバリ動ける自分に戻れるのを祈りつつ、筆を置く。