好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

星新一ショートショート再読。(その10)

『暑さ』

新潮文庫、番号10、『ボッコちゃん』収録。

「意味が分かると怖いコピペ」辺りと一脈通じる。
もっと言えば、この星新一ショートショートこそ、そういった小話の源流に当たる。

ストーリーを多く語ろうとすると、そのまま核心に至ってしまうため、感想をどうにも書きにくい。
なので今回は、少しだけ脱線。

この話には、司法や医療の複雑な問題が垣間見える。
患者はカウンセラーに、病気の進んで惨劇を引き起こす予期不安を強く訴える。
が、カウンセラーは具体的に何も動けない。
警察も対処できない。
どんな権限も、外部からでは、社会的な事故事件が起きてからの事後処理と対症療法しか施せないのだ。

もし最後の悲劇を回避するなら、患者の悩みを根本的なところから解決する手段を得なければならないだろう。
出来れば、もっともっと早い段階で、患者の幼い時代に。
今から何とかするなら、もっと寒い国に引っ越すとか、どうかな?

それでは。また次回。