好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

「蒼紅の冒険者」第36話「算数は得意でした」

ヴィクさんに教えてもらった順路をたどると、礼拝堂に着いた。
その中では、司祭様による集会が開かれていた。

「さあ、我らが神・スラング様の試練に挑みたい者は他にいるか?
 我が問いに答えられし者は、いかなる願いも叶えられよう。
 されど答えられざる者は、スラング様に帰依せねば呪いがかかるぞ」

何だか面白そうと思ったぼくは、司祭様の試練とやらに受けて立った。

「ニック……まさかキミは、リーブラへの信仰を捨てる気か?」
「それは、問いに答えられなかったその時に考えるよ」

挑戦が始まる。

「長老の大足(ビッグフット)は、南に3ハロン歩いて大麦をまき、
 東に2ハロン歩いてトウモロコシをまき、北に5ハロン歩いて小麦をまき、
南東に4ハロン歩いて青草をまいた。さて問題。
 ………………………………その長老の好きな色は何でしょう?」

……はい?

「という世間話は横に置いときまして」

司祭様が言った途端、どっと礼拝堂の皆さんが笑い転げる。
あの、ええと、今のはネタですか? 笑いどころなんですか? あのその。

「アナランドの人にお尋ねしたいのはこの問いだ。
 長老の大足には、6人の息子がいる。
 長老はその息子たちに、財産を厳密に分けようと考えた。
 下から2番目の子には金貨5枚。長男には13枚。下から4番目の子には9枚。
 さて、長老は全部で、いったい何枚の金貨を持っているのでしょうか!?」

48枚」(※答えを知りたい方は反転を)

ぼくが即答した瞬間、おおおおお!と歓声が上がった。
てゆーかコレ、ごく初歩の算数だよね? こんなんでいいの?

ともあれ、問題を解いたごほうびとして、呪文の一節も無事に手に入れた。
『かけて命じる、いざ開門』……というそうだ。

ところで。あの司祭様、どうしてぼくがアナランド出身って分かったのかな?
それが一番の謎だよ。