『さあ、気ちがいになりなさい』(byフレドリック・ブラウン)、読了。
短編集。因みに1969年の本。
何と言っても、表題作のタイトルが思い切り良すぎ。
偏執症(パラノイア)を隠して生活している主人公が、
パラノイアの演技をして精神科に入院するとゆー流れもトンデモナイ。
が、この作品をはじめ、この本の本質は、もっと奥深い部分にある。
「そもそも常識って一体何?」と。
個人的に惹かれたのが、『電獣ヴァヴェリ』だった。
ある事情で、電力を永遠に使えなくなってしまった世界の物語。
一見不便のようで、もしかしたらとても幸せかもと、
少し羨ましくなってしまった私だった。
壮大なSFに、壮大な設定は実は要らない。
こういう、ほんの少しの不思議があれば、世界は変わってしまうのだ。
なお、訳者は星新一氏。
だからか言葉は平易で読みやすい。
もっと言うと、この『さあ~』に収録されている一編と、
星氏の或るショートショートとが、やけに似ていたりする。
どちらも、地球から離れた星で救助を待っている話。
どの話かは敢えて言わずにおく。探せばすぐに見つかりますので(笑)。
それでは。また次回。