『羽』を読了すると、いよいよ最後の『咲』。
ネット上の情報も多くなく、私は今回が初読である。
咲1.『我らの告白』
初出:2011年12月(EP8から1年後)(PC版『咲』に収録)
『天使17歳 東シ-44a』と同時に発表された作品。
読み始めて、本作が当時は賛否両論(というか否寄り)だった事を思い出した。
本作も結局、幻想が中途半端に残ったまま終わるのだ。
いわゆる神の視点での「地の文」で虚偽を書いてはならない、というルールというよりモラルは、相変わらず守られない。
ベアトが銃と10億円カードで共犯者を引き込み、対象を(銃殺や絞殺など)実際に殺す。
その場面に幻想描写のアイディアを書き加える。
……などの場面は比較的丁寧に明かされる一方、肝心な部分はボカされたまま。
ベアトは誰にも「紗代」とも「紗音」とも呼ばれないどころか、紗音&嘉音と同時に登場。
紗音が自らを撃ち、その凶器を隠蔽する様子も、非常に回りくどい描写に留まっている。
ところで疑問。
本作で執筆しているベアトは、誰なのか。
魔女エヴァの名前が出てくる以上、紗代とは考えがたい。
誰による物でもない、ベアトという概念と捉えれば良いのだろうか。
それでは。また次回。