好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

貴方は「神」を信じるか。「ミステリ」の。

神様ゲーム』(by麻耶雄嵩)、読了。

(※個人的感想です)

『貴族探偵』よりもトンデモナイの麻耶作品があるとネットで知って、
図書館の開架で借りた。
ページに、濡らしたような汚れが幾らかあったが、
読み終わった頃には気にならなくなってた。
フルスイングで焼却炉に投げたくなったから。(いけません)

私の中では、この作品はミステリではない。
猟奇趣味に絶望するコズミックホラーになってしまう。

例によって例の通り、作品構造はひねくれている。
謎の小学生男子・鈴木太郎は「神様」を名乗っている。
彼が語れば真実であり、彼が天誅で殺せば犯人である、という。

異常者による猫殺し(というより虐殺)に始まり、
小学生が死ぬ死ぬ、終いに大人も死ぬ。惨たらしく。
しかもそれを全部、主人公の小学生男子は目の当たりにする。
中学生の喫煙あり、小学生と成人の「エッチ(和姦)」への言及あり。
他にも多くて書ききれないが、書きたくもない。

何よりも恐ろしいのは、この本が児童書レーベルで出版されている事。
文中の漢字全てにルビが振られており、ひらがなの読める年齢なら読み下せてしまうのだ。

フィクションでの残酷描写自体は、創り手の自由だ。
が、年少者向け作品では、極力やらないでほしいと願う。
読書は本来、楽しいものだ。心に傷をつけるための物じゃない。
少なくとも、年若い内は、まだ。

それでは。また次回。