全エピソード読了。
(総プレイ時間:約130時間)
咲2.『Last note of the golden witch』
初出:2019年10月(PC版『咲』に収録)
本編終了からほぼ10年後に発表された、PC版最後の作品。
発表当時は、私自身も動向を追わなくなっており、ネット記事で「×××が出てくる」というネタバレだけを知っていた。
だから仕方ないと思うが、悔しい。
この話は、ネタバレ知らずに、まっさらな状態で読みたかった。
というのは、本作は「ファンタジー的世界観に基づいたミステリ」として真っ当に良作だから。
作者よ、こういう路線でちゃんと書けるんじゃないか、何で最初から書いてくれなかったのかと地団駄踏みたくなるくらい。
EP7が「紗代がベアトにならずに生きた世界」だったのに対し、本作は「紗代がベアトとしても幸せに生きた世界」である。
フェザリーヌによって創られた魔女・ピース。
その基である「或る登場人物」は、紗代を幸福へ導く優しさと、碑文暗号を解読する力を持っていた、という思考実験。
もし「彼女」が六軒島に存在し続けていたら。
紗代は紗音の性格を保ったまま、当主権限を、ベアトの立場を得る事が出来た。
唯一のささやかな願い──戦人と一緒に学校へ通う事──も叶えられた。
誰もが無事な歴史があった。