『かげろう忍法帖』(by山田風太郎)、読了。
全8編の短編集。
主に1960年代の作品群だそうだ。
当時爆発的に流行ったという「忍法小説」を読んでみて。
ああ、これ大昔に流し読みしてすぐに止めたんだと思い出した。
歳をとった今なら読めるかと思ったが、やっぱり厳しかった。
忠実な史実を下敷きに書く素地には頭が下がるが。
『明治十手架』のような糞尿描写が出てこないだけマシだったが。
殺人と性行の描写が本当に凄惨で、無理。
それに、作者は承知の上で書いてるんだろうとも思うが、
女性器の設定が、荒唐無稽の桃源郷すぎ。
いつ如何なる場合も完全に清浄で実際に膜が張ってるポケットのよう。
エピソードの内、秘宝と描かれる「楊貴妃の鈴」も、
ロマンを感じる前に、その、不潔だなとしか。
山田風太郎作品からは、ひとまず離れる。
好きな方にはごめんなさい。
それでは。また次回。