『こんなにも優しい、世界の終わり方』(by市川拓司)、読了。
きっと私の感性は歪んでいます。
一時期、この作品が世間様で流行っていた覚えがある。
それで思い出して手に取って。
読み終わってみれば、私にとってコレは、
絵空事という意味の「ファンタジー」だった。
私は、「死」を美化した作品――
例えばいわゆる「難病もの」――に対して、強い拒否感がある。
特に、人死にを恋愛のダシに使ってる話。
で、この作品で死ぬのが、世界だ。
何もかも不明の「青い光」とやらが世界を覆っていく。
実に美しく死ぬらしい。腐敗もしない。
人類の抵抗もない。そもそもそういう具体的描写が本当に一切ない。
何故ならこの作品の主眼は世界じゃなく、
そこまでの異常事態に陥ってからやっとこさ動き出す男女の恋愛だから。
子供の時分から両思いの二人が延々と悩み続けて、
それでざ男が旅に出たら、愛だ奇跡だという名のご都合で会えて、
そしたら二人がフツーに性行為してて、ごめん、正直吹いた。
最後までプラトニックを通してたら寧ろカッコ良かったのにな。
それでは。また次回。