好事家の世迷言。(続)

調べたがり屋の生存日記。gooブログから引っ越し中。

ひぐらしのなく頃に

『語咄し編(3)』雑感。(その8)

『肝試し編』良くも悪くも原作にありそうなエピソード。部活メンバー全員で、谷河内の廃村エリアを探検する話。作中で語られる怪談は、確かに雛見沢症候群の症例と一致している。肝試しの面々は上手い具合に偶数のため、以下のペア分けで歩く。レナ&沙都子…

『語咄し編(3)』雑感。(その7)

『ハト時計と慈愛の家の夢』「滅菌作戦」を終えてからの鷹野というのも、『ひぐらし』原作で扱われていない話題だ。家庭用ゲーム機版まで広げても、『目明し編』のエンディングの一つで少しだけ触れられている程度。本作の特徴としては、いわゆる「地の文」…

『語咄し編(3)』雑感。(その6)

『おかえりとさよならと』 『祭囃し編』を経ての後日談。 悟史が目覚めた後の世界という事から、『嘘塗し編』を連想するが、 こちらの本作では、羽入が実体化したまま梨花&沙都子と三人で同居している。 この4人が、今後をどうやって生活していくか。 その…

『語咄し編(3)』雑感。(その5)

『鹿骨小町』お魎と喜一郎がメインの過去編。この二人の若かりし姿や剣道のアクションシーンを拝めるのが、まずこの作品ならではの価値。ただし、この二人は実のところメインではない。中心になるのは、二人の間に立つ馬曳辰政というオリキャラである。物語…

『語咄し編(3)』雑感。(その4)

『あの日の思い、今の思い』『祭囃し編』を通った事を前提とする、ハッピーエンドの後日談。日頃から、部活メンバーは家族と語る梨花。だが、それは悲しいかな限界がある。梨花と部活メンバーは家族と言っても、同年代の兄弟のような物であり、保護者と被保…

『語咄し編(3)』雑感。(その3)

『詩音アフター』『ひぐらし』関連の創作物は、構造上、ごく基本的な設定さえ残されていれば、ありとあらゆる形で展開できる。世の読者たちに受け入れられるなら、ハードSFにもなれる、オリキャラも出せる、誰が誰を殺してもいい、惨劇が起きてもいいし起き…

『語咄し編(3)』雑感。(その2)

『ありがとう』悟史の今後や、北条家の村八分など、本編で作者が本編内で決着を付けなかった事柄は少なくない。『祭囃し編』で実体化した羽入の後日についても、その内の一つだ。何せ、原作の後日談『賽殺し編』の時点で既に矛盾が発生しているのだから。『…

『語咄し編(3)』雑感。(その1)

『リミット』実は、この作品が『語咄し編』全巻を大人買いした直接のきっかけだった。ネットの評判を読むに賛否両論、その一方でコミカライズなどの他メディアでは巡り会わず、長らく読みそびれたままだった。実際に読んでみて、意見の割れる理由を理解した…

『語咄し編(2)』雑感。(その11)

(私には合わない話でした)『地獄のかぁいいレッスン』出オチ。……で私の感想、終わってしまう。どうも自分は、こういうギャグ一直線の作風はあまり性に合わないようだ。どうしてもツッコミ所をつついてしまう。海江田校長が、レナに授業を一コマ任せるという…

『語咄し編(2)』雑感。(その10)

『百年目の病』圭一と梨花のカップリング作品。平和な日常生活を手に入れた梨花が、圭一への恋心を自覚していく物語。長すぎる時間を生きた弊害か、恋した梨花は当初、身体の緊張ばかりが先に立ち、てっきり病気と思い込む。(故にタイトルの「病」につながる…

『語咄し編(2)』雑感。(その9)

『祭囃子のその後に』今一つ、惜しい。富竹が、自分の殺されたカケラを知覚し、単独で惨劇を阻止する、という流れは興味深い。が、この話がヤヤコシイのは、『ひぐらしのなく頃に』というドラマの出演者である富竹が読んでいる、誰が書いたか分からない謎の…

『語咄し編(2)』雑感。(その8)

『あるスクラップブックが示す断片的な顛末、あるいはある神の末路を示す断片的な記録』タイトルが長い、というのが第一印象。そのじつ、恥ずかしながら未だに正確に覚えきれてなく、紙面の字を写した。しかしながら、内容は飛び抜けて好みの作品の一つだ。…

『語咄し編(2)』雑感。(その7)

『胡蝶の夢 ─Endless Nightmare─』現実は非情である。というお話。『祭囃し編』を経て真っ当な時間を進み始めた梨花が、その来歴を否定されたのが『賽殺し編』だった。その『賽殺し編』を経て、真っ当な時間線に辿り着いた梨花が、またもその来歴を否定され…

『語咄し編(2)』雑感。(その6)

『里恋し編』ファンの間で非常に有名な作品の一つ。『ひぐらし』の登場人物たちは、究極的には、ほぼ全員が善人だ。例えば、お魎も、鷹野も、少なくとも作中において、悪役であっても、真からの悪人でないと取れるように描写されている。故に、お魎は圭一に…

『語咄し編(2)』雑感。(その5)

『皆殺し編:限定補完 ~叩き売りオークション会場にて~』タイトル通り。『皆殺し編』中途を想定した挿話。圭一の司会の下、部活メンバー+αの出品で、落札額を巡る勝負が繰り広げられる。出品者の場面ごとに章が大きく区切られている点からは、『罰ゲームは…

『語咄し編(2)』雑感。(その4)

(※私には合わない話でした)『お漏らしで泣く頃に ~閑話休憩編~』今回、感想パスしたい。以下、個人的な好き嫌いです。そもそもタイトルからして間違い。起きてる時に小便垂れ流すのが「お漏らし」だ。眠ってる時に小便したなら「おねしょ」だ。内容は、ご…

『語咄し編(2)』雑感。(その3)

『嘘塗し編』悟史&詩音ファンなら読んでおくべし。原作では未解決のまま終わっている問題点、「悟史が目覚めた後の対処」について真っ向から挑んでいる意欲作。入江機関の地下に自分が秘匿されている事に、悟史が少しずつ疑心暗鬼を強めていく下りは、読ん…

『語咄し編(2)』雑感。(その2)

『雛げし編』まず、魅音がメインという点だけで、かなり珍しい作品だと思う。『雛げし編』の魅音は、大学受験に失敗し、予備校に通うため、雛見沢を離れて独り暮らしをしている。この設定をはじめ、作中の雰囲気は暗い。何でもカンペキにこなしてきた魅音が…

『語咄し編(2)』雑感。(その1)

『りかさとうぉーず』第2回大賞受賞作。『祭囃し編』から直接の後日談と思われる。羽入が部活メンバーとして登場しているが、場面によっては消えたり、居ない者のように扱われてる原作テイスト。内容はタイトルそのまま、梨花と沙都子が本気で大喧嘩する話。…

Switch版『ひぐらし奉』『うみねこ咲』入手!

『うみねこのなく頃に咲』の登場は、長らくためらっていたSwitch入手に踏みきるきっかけになった。自分にとっては、初のCS版『うみねこ』体験。もっと言えばアニメ版もキチンと視聴していないので、キャラの声を聞くのもほぼ初だ。が。実際のプレイは当分先…

『語咄し編(1)』雑感。(その10)

『鬼騙し編』まさか公式アニメと同タイトルの番外編が既にあったとは。無論、内容はアニメとも、それどころか、原作ともまるで違う。この作品世界では恐らく、連続怪死事件は起きていない。詩音と魅音が双子でなく、年離れた姉妹で、詩音と悟史が恋人同士。…

『語咄し編(1)』雑感。(その9)

『野菜炒めの憂鬱』『罰ゲームは特効薬。』が「部活」をテーマにしているのに対し、こちらは「お弁当」。『ひぐらし』の日常生活の象徴とも言える「料理」がとことん掘り下げられる。特に『祟殺し編』に出てきた野菜炒めに関する描写が非常に多い。本文を切…

『語咄し編(1)』雑感。(その8)

『リトル・デーモン』ドラマCDや漫画などの別媒体で見かけた事のないタイトル。読み始めて合点が行った。作中の時期は第二次大戦中。登場人物は当時の雛見沢御三家。そして語り手は、戦闘機から不時着したアメリカ兵。ほぼオリジナル設定&オリキャラで物語…

『語咄し編(1)』雑感。(その7)

『皆愛し編』「みないとしへん」と読む。あらすじを端的に述べれば、「圭一は登場しないが、ルールXとZが突破されている世界」である。梨花と羽入は、他の仲間たちに背中を押され、そして『皆殺し編』終盤の展開をそっくりなぞっていく。『祭囃し編』などの…

『語咄し編(1)』雑感。(その6)

『罰ゲームは特効薬。』こういう話を待っていた!繰り返される惨劇の幕間、束の間の平和なひとときの物語。部活の罰ゲームの一環で、なぜか圭一は女性陣全員を一日ずつ楽しませる、つまりデートする事になる。各登場人物の一人称と、更にいわゆる神の視点の…

『語咄し編(1)』雑感。(その5)

『消えた少女の記憶』『䄈壊し編』と同様、根本の設定から異なる圭一たちが、雛見沢で迎える事件の顛末。そもそも圭一の時系列からしてズレている。小学校低学年を雛見沢で生活→神戸で震災に罹災→東京で社会人として生活→20年ぶりに雛見沢へ戻る。だからと言…

『語咄し編(1)』雑感。(その4)

『䄈壊し編』「まつりのそなえもののかざりこわしへん」と読む。この作品、タイトルだけは以前からよく見かけていた。一見シンプルなのに、どうにも漢字を読めない。ネット上では、正確な漢字で記す事さえ厳しい。この作品もまた、読み手を選ぶ内容だろう。…

『語咄し編(1)』雑談。(その3)

『女こまし編 ~最高のパラダイスをどうかあなたに……~』「すけこましへん」と読む。動画サイトのあちこちで見かけて、以前からタイトルは知っていた。小説で読んでみても、確かにこの話の魅力は声優の、即ち保志総一郎氏の演技力と直結している。だから、小…

『語咄し編(1)』雑感。(その2)

『やめないで知恵先生』(※私にはあまり合わない作品でした)短編集の作品順序には、法則がある。誰もが最初に読む1番目は、誰もが納得する王道。その1番目を読み終えた人を想定するのが2番目。得てして、癖の強い作品が並ぶ。雛見沢分校の教諭・知恵が、新規…

『語咄し編(1)』雑感。(その1)

『贄流し』「にえながし」と読む。(「へん」は付かない)因みにガラケーアプリ版には、紛らわしいが、『贄探し編』というタイトルもあるそうだ。端的に紹介すれば、圭一が「自分のいない世界」を垣間見る物語。『ひぐらし』の登場人物たちは、「カケラ」と呼…